2018年1月28日日曜日

中島らも 「なれずもの」

中島らも 「なれずもの」を読了。

死の1週間前まで続けられた対談集。
柴山俊之、宇梶剛士、竹井正和、安部譲二、本上まなみ、松尾貴史との間で行われた対談集。

対談の前段で、その様子の写真が掲載されているが、そこのらもさんの写真が良い。そのらもさんの表情がいい、たたずまいがいい。

対談の内容もらもさんの話が一貫していて、読んでいて気持ちいい。2004年7月26日逝去。まだまだらもさんの考えを知りたかった。

2018年1月21日日曜日

筒井康隆 「文学部唯野教授」

筒井康隆 「文学部唯野教授」読了。

数年ぶりの再読。

物語部分と唯野先生の授業部分から成り立つ。物語はハチャメチャで時代かかっている感じで、それはそれで面白いのです。

しかし唯野先生の授業は難しい。これ全て理解できる人は一般の読者でいるのでしょうか。

だからこそ知的好奇心がそそられるのです。

自らの無知を自覚して素直に読書しましょう。

そして少しでも唯野先生の授業について行ける様になりたいものです。

2018年1月14日日曜日

DEEP PURPLE「SLAVES AND MASTERS 」

ディープ・パープルの「スレイブス・アンド。マスターズ」です。1990年の作品。ボーカルがジョー・リン・ターナーになり、レインボウ出身者が3名となり、パープルと名乗るのが正しいのか難しいところではありますが、ディープ・パープルとして世に出た作品。

本作品の武道館で行ったツアー見に行きました。リッチーをちゃんと見ることができたこと、幸せだと思っています。
作品ですが、パープルというよりやはりレインボウの方向性を持った作品です。世の評価も分かれておりますが、個人的には傑作であると思っています。

その後、イアン・ギランを戻してアルバム製作するのですが、レインボウの方向性を持ったリッチーとは合わず、リッチーはレインボウ再結成するのですが、その作品はレインボウの方向性を持ったリッチーがレインボウで作品をつくったのですから、当然傑作となりました。レインボウのその作品「Strangers In Us All」は無名ミュージシャンでもリッチーが指揮をとれば傑作HRアルバムを作ることができることを証明しました。評価は低いけど・・・

リッチーの方向性を確認できる本作品はパープル名だからこそレインボウへの引力をを強烈に感じることのできる作品となったのでした。

塚本哲也「エリザベート ― ハプスブルク家最後の皇女」

塚本哲也 「エリザベート」を読了。
ハプスブルク家の最後の皇女の物語。ではありますが、19世紀から第二次世界大戦後までのヨーロッパの歴史を振り返る書になっている。
ハプスブルク家の話はそのままヨーロッパの歴史を語ることになるのであろう。壮大な物語となっている。
エリザベートの本質は皇女であり、貴族であったのであろうが、その行動だけが民衆の注目をうけたのであろう。貴族の言葉で民衆と付き合うエリザベート。ハプスブルク家の皇女としての尊敬をうけるエリザベート。いつでも愛に直進するエリザベート。
そんな皇女の歴史はそのまま、オーストリアの歴史と重なる。

激動の20世紀ヨーロッパを体現した女性エリザベートをしることは、そのままヨーロッパを知ることとなるのである。

FACES 「First Step」

新生フェイセズの1970年のアルバム。ジャケットに「SMALL FACES」とハッキリ書かれているところなんかが悲しい。

先日、レコードを聞かせるBARでロッド・ステュアートのベストを聞いていたら、無性にブリテイッシュ臭い彼の声が聞きたくなり、本作品をチョイス。

ジェフ・ベック・グループからロッドとロン・ウッドを迎えたスモール・ファイセズが新メンバーがでかかったため、バンド名から「スモール」を抜いたとのこと。

やはりロッドの歌声は夜に酒を飲みながら聞くのは最高に良い。彼の霧がかかった、少しの埃くさい男声は夜に合う。ロックはこうでなければという気にさせてくれる。

アトランティックを大股で渡る前のロッドが好きである。たまに無性に彼の声が聞きたくなるのは、彼の声に何か自分の心が揺さぶられるのであろう。そんなシンガーである。(あくまでアトランティックを渡る前。渡った直後もOK)

2018年1月7日日曜日

開高健 「輝ける闇」

開高健 「輝ける闇」を読了。

泥沼のベトナム戦争へ従軍した開高の経験をもととした作品。数々のブックレビューで賞賛を受ける一冊。まさしくその通り。文章からはベトナムの熱気やその熱気による南国の倦怠感。熟れた果実の匂い。人々の交わりから出てくる汗やにおい。それらを全て含む湿度感。

一方、死と隣り合わせとなっている緊張感。その緊張感で精神に影響が及んでいる人々。意味の無い戦争による意味の無い死。その意味の無い死がいつも隣に潜んでいる。VCの視線を感じながら戦場を進む。

それを表現可能としているのは作者の文章。

熱帯のねっとり感、戦場の緊張感、精神の壊れ方、全てが開高の筆でなければ描けなかった作品。

人の死、戦場での体験。読んでいるだけでもエネルギーや緊張感を強いる書である。いわんや経験していたら・・・

2018年1月6日土曜日

VA 「Ronnie James Dio-This Is Your Life」

DIOのトリビュートアルバム「Ronnie James Dio-This Is Your Life」です。2014年の作品です。

DIOの歌声はHM/HR界で別格なので、彼のトリビュートは難しいと思うのですが、どのバンドもデイオへの溢れる愛を感じることのできる熱演です。

特にMETALLICAのメドレー。流石メタリカ。心が震えます。

彼らの凄さは、ディオへのリスペクト(レインボウへのリスペクトかも)を失わず、それに加えて、彼らのオリジナルのエキスを曲に注入し、彼らの作品してしまう力量なのでしょう。リピート必須のメドレーです。

最高のトリビュート作品です。やはり作品自体の持つ力なのだと思います。

【収録曲】
 1. Neon Knights - Anthrax
 2. The Last In Line - Tenacious D
 3. The Mob Rules - Adrenaline Mob
 4. Rainbow in the Dark (feat.Jason Christopher, Christian Martucci, Roy Mayorga,
     Satchel) -Corey Taylor
 5. Straight Through the Heart - Halestorm
 6. Starstruck (with Biff Byford) - Motorhead
 7. The Temple of the King - Scorpions
 8. Egypt (The Chains Are On) - Doro
 9. Holy Diver - Killswitch Engage
10. Catch the Rainbow (feat. Craig Goldy, Rudy Sarzo, Scott Warren, Simon
      Wright) - Glenn Hughes
11. I - Jimmy Bain, Oni Logan, Rowan Robertson, Brian Tichy
12. Man On The Silver Mountain (feat. Doug Aldrich, Vinny Appice, Jeff Pilson,
      Scott Warren) - Rob Halford
13. Ronnie Rising Medley (Includes A Light In The Black, Tarot Woman, Stargazer
      & Kill The King) - Metallica
14. This is Your Life - DIO 

以上

2018年1月3日水曜日

色川武大 「怪しい来客簿」

色川武大 「怪しい来客簿」を読了。


伊集院静 「いねむり先生」を読んで興味を持ったので。阿佐田哲也 「麻雀放浪記」は体験していたが、純文学色川はあまり読んでこなかった。


本書はそれがもったいなかった、、と痛感させられる一冊。色川が出合った人々との思い出を記しているが、しかしその登場人物が成功している人ではなく、様々な苦悩を抱えている人に焦点が当てられている。そして色川のその人物を見る視点はあくまでも優しい。


読み進めていくと登場人物は特別な人達ではないことに気付く。自分の中にも彼らの気持ちが存在することに気付く。彼らの心持が自分にもあることに気付く。彼らの行動が理解できる。


色川だからこそ、描ける世界観。心地よく、しかし背筋が伸びる世界観である。

2018年1月2日火曜日

Mcauley Schenker Group 「Save Yourself」

マイケル・シェンカーがロビン・マッコリーをボーカリストに迎えた2作目「セイブ・ユアセルフ」です。1989年の作品。


このアルバムは大学時代の仲間の溜まり場に置いてあり、くだらない話しの後ろで流れていたアルバム。今聞いても、メロディが頭の中に残っています。


それから約30年。現在聴くと、欧州美旋律とポップな味付けが絶妙なバランスで配合されている名盤だと思います。イントロの壮絶なギターソロを聴いただけで、マイケルの本作品にかける心意気を感じることができます。名曲揃いのアルバムです。「ANYTIME」などはバラードの名品です。


MSG至上主義者が多いのは十分理解しますが、このマッコリー・シェンカー・グループも良いものです。