THE TIMERSスペシャルエディションを購入。目的はDVDで30年前のライブ映像を観ることである。
当時(1988年)の横浜国大でのライブは、地方から上京してきた18歳の心を打ち砕くのには十分な破壊力であった。ボ・ガンボス,山口富士夫ティアドロップス、泉谷しげるwithLOOSERというラインナップでのライブは会場となった、大学の野外音楽堂を熱狂の渦に巻き込んだ。トリの泉谷の前に登場したタイマーズは、覆面バンドという情報であったが、既にそのころには、清志郎のバンドということは明らかであった。
あとは本作品のDVDで確認してほしい。曲なんか何にも知らない観客の熱狂ぶりを。ライブ中止になるくらいのパワーを。本当は収録されていない、いや収録することのできない曲こそタイマーズのタイマーズたる所以であり、今思い出しても、パンクの生まれる瞬間を目撃できた興奮でいっぱいである。
この時代、携帯電話もインターネットもなく、情報は紙媒体や口コミしかなかった。だからこそ、タイマーズが本当に登場し、過激な歌詞で歌い始めたときの衝動はもう我々は体験することができないかもしれない。ロックの初期衝動を感じることは不可能なのかもしれない。そう考えると、この経験は本当に貴重だったのかもしれない。
その空気感を荒れた画像で見返すとき、その心の震えの手応えは頭に残っているので、まだ手にとることができる。
そんなことを思い出させてくれた本当の意味での「スペシャル・エディション」であった。
リマスターされた音源もゆっくりと聴こう。酒でも飲みながら、歌いながら。
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