2017年7月29日土曜日

Tradition 「CAPTAIN GANJA AND THE SPACE PATROL」

トラディション 「CAPTAIN GANJA AND THE SPACE PATROL」です。

ダブアルバム。ダブはあまり詳しくないというか、全くの門外漢です。

敬愛するブログの紹介があったので、購入した次第。「通年常用のハード・ドラッグと呼ぶに相応しい1枚」という文言にノックアウト。即購入したのでした。(CD)

これが正解。サイケな世界というか、タイトル通りのスペイシーな作品で、いつも聞きながら寝てしまう。精神の深部をリラックスさせてくれる効果があるのかもしれない。全くの門外漢なので、アーティストもダブも判りませんが、音楽自体の素晴らしさは理解できます。

良い作品を教えていただきました。最高の音楽です。


仲畑貴志 「この骨董が、アナタです。」

仲畑貴志 「この骨董が、アナタです。」を読了。
有名コピーライターの骨董に没入する日常を描いたエッセー。これは面白い。自分の失敗を包み隠さず曝け出しているところなんか、作者の生き様を感じることができて素晴らしい。文書もわかりやすい。漢字で書くところを敢えて平仮名で書いているところもあるが、読みにくさは全く無い。骨董入門というか、骨董に興味のある人が手に取る書であるが、読み物としても大変面白く読むことができます。いいなーこういう気風の人。

本書のタイトルとなった白州正子との対談が白州正子 「おとこ友達との会話」(新潮文庫)で読むことができます。興味のある方は是非合わせてお読みください。

大川慎太郎 「不屈の棋士」、橋本崇載 「棋士の一分」

棋士の本を2冊読了。棋士のその「異能」ぶりに興味がある。将棋自体はそれほどでも。。。という人間です。

大川慎太郎 「不屈の棋士」は将棋観戦記者の棋士へのインタビュー集。AI時代に棋士は堂向かうべきかを問うた渾身の1冊。羽生、渡辺から若手棋士まで。質問の主題は全て同じ。だから棋士毎の考え方の違いも理解できる。人工知能への考え方の違いがこんなにくっきり違い、その違いにはグラデーションのようなレベルがある。一気読みです。




橋本崇載 「棋士の一分」は棋士自らが現代の将棋界からAIまで、彼の考え方で満ち溢れている本。三浦問題の張本人の一人と思っていた橋本だったが、本書では事実を語る。衝撃の告白もある。将棋界の未来を憂う棋士魂をひしひしと感じることができる書である。

2冊同時読みがオススメです。




2017年7月23日日曜日

夏目漱石 「それから」 「門」

夏目漱石の「それから」と「門」を読了。


「それから」は高等遊民を自称する主人公の愛の物語。姦通罪があった時代の物語であり、新聞連載されていたことから、かなり衝撃的な扱いを当時は受けていたのであろう。
皆新聞小説を読むのが楽しみだったではないか。

「それから」はラストの都電の中で主人公の心情が強烈。これからの未来と彼の心を表している。このラストは数年ぶりの再読にも関わらず、心に強烈な印象を残している。


一方「門」は「それから」の主人公のその後の意味合いもあるであろう物語。静かに暮らす夫婦の元に様々な過去からの因果が押し寄せる。しかし物語りはその因果との衝突を避ける。ある意味物足りないが、それはそれ
で良いのではないか。

この2作品に先立って「三四郎」がある。「三四郎」を加えて三部作となる。村上春樹「海辺のカフカ」でカフカ少年が四国の図書館で漱石を読み直していたので、読者であるこちらも再読。次は当然「三四郎」を再読です。

 

2017年7月16日日曜日

村上龍 「限りなく透明に近いブルー」


 村上龍 「限りなく透明に近いブルー」を読了。随分前に読んだきりの数十年ぶりの再読。

読書に限らず、読んだときには判らなかったことがらが、判ったり、複数の事柄が繋がったりすることがあります。それが再読や再聴の醍醐味。たぶん1回目読んだのが中学生や高校生で本書に登場する音楽などその当時はほとんどわからなかっただろうが、今回の再読では理解できた。ドアーズやストーンズはもちろん、イッツ・ア・ビューティフル・ディなんかも解るようになったぐらい、年をとったことも判る。

この点が解ると村上のデビュー作も以前よりは理解できるのかもしれないが、その初期衝動をおなじぐらい感じることができたのかは疑問。青春のその心持は今はない。

でもラストのシーンは心に残り続けている。



2017年7月9日日曜日

夏目漱石 「行人」

夏目漱石 「行人」を読了。明治期の知識人の苦悩を表す。「私以外はみんなバカだ」。簡単に言うとそういうことであるが、みんなバカと突き放せずにいるところが人間らしくてよろし。


でも、「私以外はみんなバカだ」という思いは現代人も持っている人が多いのではないかと思う。自分でそう思っている人は一読オススメします。あなたのその思いは明治からある、普通の思いであることが理解できます。


勉強や読書のこのような「毒」は毒として、受け入れなければなりませんが、自分なりの解毒剤が必要ですね。


嫂との関係、一郎のその後等気になることは沢山ありますが、これはこれでよいのでしょう。数年後再読必要です。


先週読んだ虞美人草とは作風が違う文豪の作品でした。 

2017年7月2日日曜日

夏目漱石 「虞美人草」


夏目漱石 「虞美人草」を読了。漱石が職業作家になってからの第一作。朝日新聞に連載された新聞小説です。
100年前の恋愛劇、当時のトレンディードラマの様相でとても楽しい読書時間でした。しかしながら物語の流れ以外に漱石の解説が入る。これがつまらないと思う読者には辛いのかもしれないが、この解説に沢山の名言が散りばめられている。これが凄い。流石名文家漱石。作家志望の人間を奈落の底に落とす才能の違いを見せ付けてくれます。
また、数年後再読します。
作者の作品の中ではメジャーではありませんが、パワーを感じる作品であります。