2017年4月30日日曜日

花沢健吾 「アイアムアヒーロー」


花沢健吾 「アイアムアヒーロー」が22巻をもって完結した。1巻から単行本を集め、リアルタイムで読んできたものとしての感想です。
あまりにも終わり方が唐突すぎます。物語の裾野を世界にまで広げた責任を作者は果たせないままでした。そこは読者に委ねたのでしょうか。世界規模の大抒情詩を期待していた読者としては残念です。また、ラストの女(クルス)の変容は大友克洋 「AKIRA」の創作を超えていないと思う。金田の変容と、女(クルス)の変容は同じである。
期待が大きすぎたからかもしれないが、本作品の終わり方は、作者の限界かもしれないと感じた。これだけ世界観を広げたのだから、10年後も20年後も大抒情詩として描き続けて欲しかった。3.11後の世界と物語の世界をシンクロさせたかったのかもしれないが、その先も世界は存在しているわけで。。。本作品は「ボーイズ・オン・ザ・ラン」で才能を感じさせてくれた作者の遺言かもしれない



2017年4月29日土曜日

第65回山田記念ロードレース大会

今日は秋田県大館市の山田記念ロードレースに初参加。秋田市から大館市まで約2時間。レースも約2時間。秋田市への帰りも約2時間。疲れたけど面白かったです。良い大会です。今回はハーフマラソンに参加。


天候:雨
気温:7℃
湿度:78%


タイム:1時間55分02秒


雨が降りつけ、気温も低く、良いコンディションでは在りませんでしたが、フレンドリーな大会です。
中間点では55分くらい。後半失速しました。


参加費も安く、来年も参加しよう。帰りは大館市の名店「あさり」で煮干中華を食して、帰宅したのでした。

大宮知信 「スキャンダル戦後美術史」




大宮知信 「スキャンダル戦後美術史」を読了。戦後美術史の事件を紹介している書。戦争画を描いた作家達の戦後の生き方、美術につきものの贋作の話、日本の前衛アート、バブル期の芸術作品の位置、美術館や芸術大学の役割。こんな内容だから面白く読むことが出来た。スキャンダルほどのことでもないが、マジメに論じているので好感が持てる。美術品とは不思議な存在である。「美」の価値と「経済」の価値がある。その二つの価値により美術品や芸術運動は触れ続けるのである。「美しい花がある。花の美しさというものはない。」小林秀雄の名言であるが、正に美しい美術品があるだけなのである。面白く読むことが出来ました。

2017年4月23日日曜日

原田宗典 「メメント・モリ」


原田宗典 「メメント・モリ」を読了。死を想え。正にタイトル通りの内容。作者自身と思われる主人公の遭遇する様々な事件。少ししか語られないものもあるが、その事件が断片的に語られる。作者の心の内に知らず知らずに我々も足を踏み入れている感じがする。正に死を想え。しかしながら、ラストは再生の物語。作者の生きる希望が見える。若いとき、軽い作品でお世話になった作者。これから作者の新たな物語を期待したい。

ジョニー・サンダース 「ソー・アローン」


JOHNNY THUNDERS 「SO ALONE」です。今日は彼の命日です。本作品でも聴きながら。
ステキなロックンローラーでした。R.I.P

蓮實重彦 「伯爵夫人」



蓮實重彦 「伯爵夫人」を読了。時間が入り混じり、場面も夢なのか、現なのか。幻想的な物語。廃頽的な感じはポルノで表現することが最適だったから手法として使ったのだろう。弟子筋の阿部和重と同様であろう。本作品は面白く読み進めることが出来たことだけは、正直に告白する。なかなか面白い表現もあったり、独特の文体と擬音も面白く読むことができた。でもそれだけだったかもしれない。文学とはただ通り過ぎていく作品もアリなのである。物語の波にただ乗って読み進めていくだけ。それだけでも戦前の廃頽感を二郎と一緒に体験できるのだから。



レイモンド・チャンドラー 「大いなる眠り」


RAYMOND CHANDLER 「THE BIG SLEEP」です。フィリップ・マーロー初登場の作品。これから歴史は始まりました。でもマーロウはまだまだ若い。二人の女性にふりまわされています。

「背が高いのね」と、彼女は言った。
「僕のせいじゃない」

ハードボイルドの世界観はこの最初に出てくるセリフに集約されている。このセリフこそ、現代まで続く、ハードボイルド小説源流である。良い物語。でも双葉訳はちと理解不能な箇所もある。村上訳もでているようなので、今度読んでみよう。


2017年4月22日土曜日

サニーデイ・サービス 「東京」


サニーデイ・サービス 「東京」です。今の秋田の季節にピッタリのジャケット。彼らのセカンド・アルバムで曽我部さんの声も若々しい。渋谷系とカテゴライズされる彼らだけど、ちょっと違う。現代にも通じる普遍性と70年代のジャパニーズ・ロックシーンからの影響も感じさせる楽曲に聴き手の心も弾む。良い作品ですね。こういった作品を数多く世に問いかけている彼ら。リアルタイムで現在の音まで追いかけられないけど、少しずつ、自分のペースで聞かせてもらいます。

2017年4月16日日曜日

レイモンド・チャンドラー 「さらば愛しき女よ」


RAYMOND CHANDLER 「FAREWELL,MY LOVELY」を読了。読者に人気の大鹿マロイの物語。それだけでなく、プロットも優れている作品。ラストの展開は読書の醍醐味です。
本作品のマーロウはマーロウらしい、というか、読者がマーロウに求めるものが満載されている。このようなマーロウだからこそ、我々はハードボイルドが大好きなのである。
本作品はシリーズ2作品目でもあり、最終作の「プレイバック」とはマーロウの造形も変わっているというか、本作品のほうがしっくりきます。フィリップ・マーロウ。男が憧れる男であります。

エリック・クラプトン 「ジャーニーマン」


ERIC CLAPTON 「JOURNEYMAN」です。1989年の作品。インナーの小倉エージによれば「コンテンポラリー」な作品。AMAZONのレビューによると「節度のあるナンバーのコレクション」。まさにそのとおりの音作りな作品です。本作品はクラプトンのオリジナルは少なく、外部作品が多く、カバーもあったりとですが、それはそれで作品に一本の統一感があって、まとまっている印象です。オシャレ長髪でアルマーニのスーツに身を包み、ギターを弾くクラプトン。80年代の彼のベストといっても過言ではない作品でしょう。

レイモンド・チャンドラー 「プレイバック」



RAYMOND CHANDLER 「PLAYBACK」を読了。チャンドラーの遺作であり、そういうことではマーロウ最後の作品。有名な名言「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格が無い」(作中の言葉とは異なるが、こちらがしっくりくるので)が生まれた作品でもある。本作品のマーロウはこれまでとは少し違う。女性との関係が「さらば愛しき人よ」でもあったが、それよりも濃厚であり、これまでのマーロウには見られなかった行動が多い。だからマーロウや文体に思いを持つ人にはあまり受け入れられない作品なのではないか。個人的には、本作品のマーロウには違和感を覚えるものの、楽しく読むことが出来た。本作品は是非村上春樹訳でも体験してみたい。


2017年4月9日日曜日

VA 「Def Jam recordings CLASSICS Vol.1」


オールドスクールここに極まり、「Def Jam recordings CLASSICS Vol.1」です。1989年のオムニバス。ビースティ・ボーイズからLLクールJ、パブリック・エネミーといったDef Jamオールスターです。思えばランDMCでアディダスを着始め、新しい音楽にホット・ドッグ・プレスを読みながら田舎でモンモンとしたものでした。今聞いてもいい作品ですが、昔の切なく、恥ずかしい思い出と結びつきが強くて恥ずかしいです。

クィーン・ラティファ 「オール・ヘイル・ザ・クイーン」


QUEEN LATIFAH 「ALL HAIL THE QUEEN」です。1989年の彼女デビュー作。フィメールラッパーの代表格の彼女の名盤ですね。今聞いても最高のラップを聞かせてくれます。
バックトラックも最高、彼女の歌声も最高。もう30年近く前の作品ですが、最高の作品です。
なかなか、女性ラッパーの傑作って個人的には知らないんですが、本作品に癒されていればいいんでしょうか。こんなに愛すべき作品はなかなかありません。
必聴です。

2017年4月8日土曜日

レイモンド・チャンドラー 「湖中の女」




RAYMOND CHANDLER 「THE LADY IN THE LAKE」です。フィリップ・マーロウも大活躍。本作品も面白い。二転三転する物語。その中で卑しい街を歩き続けるマーロウ。その中で殺人事件が起こり、事件も伸展する。
本作品ではそれが顕著。物語の中に吸い寄せられて一気読みです。


本作品も再読ながら、記憶なし。改めて面白さを噛締めることが出来たのでした。

ブギ・ダウン・プロダクション 「ゲットー・ミュージック」



BOOGIE DOWN PRODUCTIONS 「GHETTO MUSIC THE BLUEPRINT OF HIP HOP」です。
1989年の彼らの3枚目のアルバム。オールド・スクールの重鎮ですね。発売当時購入し、その時はもう少しハードなラップが好みであったが、今聴くと、ちょうど良い。本作品に収められている「YOU MUST LEARN」のビデオクリップで当時、やられた訳だがジャケットとといい何か感じさせるものがあります。オールド・スクール再評価でもしてみよう。でもその時代の作品しか持ってないけど。。。


レイモンド・チャンドラー 「高い窓」




RAYMOND CHANDLER 「THE HIGH WINDOW」を読了。フィリップ・マーロウの男としての気高さが際立つ作品。ハードボイルドの個人的に好きな部分が際立つ作品。男が惚れるマーロウを十二分に堪能できます。
それだけでなく、物語としても十分楽しめます。様々な顔を持つ登場人物がマーロウと交差する。その関係性の中でマーロウの個性が香る。
面白く読みました。再読だけど、スジ忘れていたな。だから二度美味しかった。三度目もきっと美味しいはず。

2017年4月2日日曜日

ピストル ジャズ  「PIRATES OF JAZZ」


PISTOL JAZZ 「PIRATES OF JAZZ」です。室戸の海賊と呼ばれる彼らの作品。3ピースなインストロックです。3ピースの特徴を最大限に生かした音作りにロックな衝動が呼び起こされる名作。
バンド名もタイトルも音を表している。
個人的にかなりの衝撃を受け、通販で彼らのTシャツまで購入。
最高のロック作品です。