2017年4月23日日曜日

蓮實重彦 「伯爵夫人」



蓮實重彦 「伯爵夫人」を読了。時間が入り混じり、場面も夢なのか、現なのか。幻想的な物語。廃頽的な感じはポルノで表現することが最適だったから手法として使ったのだろう。弟子筋の阿部和重と同様であろう。本作品は面白く読み進めることが出来たことだけは、正直に告白する。なかなか面白い表現もあったり、独特の文体と擬音も面白く読むことができた。でもそれだけだったかもしれない。文学とはただ通り過ぎていく作品もアリなのである。物語の波にただ乗って読み進めていくだけ。それだけでも戦前の廃頽感を二郎と一緒に体験できるのだから。



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