最近、チョット昔のエッセイというか、社会を論じた文章を読むのが好きです。私が高校生から大学生の時期に読んだこのような書の文章が自分の人格形成に凄く影響を与えていることがハッキリ理解することができます。「自分のあの考えは、ここが出典だったのか」と愕然とすることも多いですね。これまでの人生を振り返る意味でも、また現代社会との関係を知る意味でも、これらの社会事象をい扱った書を読むことは、非常に面白く、興味深いことです。
で1冊目は、藤原新也 「幻世(まぼろよ)」です。1987年に単行本で出版された本。手元にあるのは1990年の文庫版。正に大学時代。藤原はこの時代のある種こわもてのヒーローでした。彼の文章はすんなりと自分に入ってきました。本書を読み返して思うのは、時代は変わったけど、人間はなかなか変われないものだな、ということ。文章中の風俗や小間物を現代に置き換えると、そのまま現代論になります。カメラマンとして、その表層だけでなく、物事の奥まで視線がとどいているからでしょう。硬派な文章をお求めであれば、本書は最高ものになります。
合わせて本書もオススメです。呉智英 「サルの正義」です。こちらは1993年単行本、1996年文庫化されたものです。これもまた面白い。上記作品との併読をオススメします。
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