2017年5月21日日曜日

大島一洋 「芸術とスキャンダルの間」


大島一洋 「芸術とスキャンダルの間」を読了。

芸術作品というのは不思議な存在です。絶対的な価値があるわけではありません。無名画家の絵がオークションで1万円の予定価格であったが、あるとき有名画家の作品とわかり、一気に6千6百万円になってしまったことがありました。絵の価値では1万円でも、有名画家という要素で6千6百万円になるのです。

絵画自体の絶対価値なんて存在しないのです。時代や作者やその物語によって、絵画は絵画の持つ価値(そんなものはないけども)以上の価値をもつのです。ということは、贋作やニセモノは絵画の価値が絵画にないことから、その行為が罪になるのです。その表現自体に価値があれば、本物もニセモノもかわりありません。

そいうった芸術作品だから、「スキャンダル」とはいつも背中合わせなのであろう。興味深い事件とそこに連なる物語が楽しめる。面白い事件集。


芸術の価値は個人的に認めています。ボーナスが入れば、手の届く範囲で絵画を購入しています。ほとんど無名画家の作品ですが、個人的興味にはまれば、値段と相談して購入しています。国宝級とか数百万円なんて手に届きませんが、芸術作品は近くに置きたい魅力があります。
そんな魅力が人間を惑わせるのでしょう。

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