東山彰良 「流」を読了。第153回直木賞受賞作。こういった話題性のあるエンタメ小説は、少し温めてから読むのがよろし。
一気読みの疾走感は流石、と言わざるを得ない作者の力量でありましょう。ただ大げさな宣伝文句や評判で読んでみたが、出来が良い青春小説ですね。直木賞は良いですけど、「二十年に一度の傑作!」とか「これほど幸せな読書は何年ぶりだ?」なんかは言い過ぎの感があります。
中国と台湾。歴史的な事実を理解、それだけではなく体感的に理解していないと本作品の本質には触れられないのかも知れない。そこを理解できなくても楽しめるのは、なにはともあれ、作者の力が成せる技なのです。
楽しく読めました。いい小説です。周りの宣伝がよろしくないだけですね。
ラストの一行。この時代を知っている人間の本当の言葉と、作者に対して良い印象を持ったことは書かなくてはならない。
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